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     第21回水郷水都全国会議、
  第8回有明海・不知
火海フォーラム
       IN 久留米・柳川


第21回水郷水都全国会議久留米・柳川大会は2005年6月10−12日に福岡県久留米市および柳川市で開催されました。

第21回水郷水都全国会議
第8回有明海・不知火海フォーラム
in 久留米・柳川

2005年6月10−12日
無事終了しました。

久留米大会記念講演(6月11日) 会場の久留米大学(6月11日)
交流会(6月11日) 全国実行委員会(6月11日)
柳川会場(6月12日) 会場の大和町中央公民館

詳しい報告は、筑後川水問題研究会のホームページにあります。

大会資料集は、以下にご連絡ください。1部500円とのことです。
  第一法律事務所 TEL0942-38-8050 FAX0942-38-0850
  E-Mail: mine-i@kurume.ktarn.or. jp

目次
メインテーマ
プログラム
大会宣言

メインテーマ
公共事業"新"時代〜自然とのおりあいを求めて〜

公共事業は、国民生活の基盤をつくり経済活動を発展させるために、各地域の実情を踏まえ、住民の主体性に依拠しながら実施されるものです。しかし、日本経済が低成長時代に入って以降、公共事業に景気浮揚・需要拡大の役割が期待されるようになってから、事業の必要性がなくなった後も、目的を変え、自然とのおりあいを越えて継続され、人々の暮らしに結びつかないものに変わってきたように思われます。また、公共事業が社会的に有益であったとしても、財源と需要のバランスを考えると、見直すべき必要性があるにもかかわらず、続行されている場合もあります。
 このような事態に対して、住民運動による問題提起がなされ、環境破壊と無駄の推進となる公共事業を差し止めるという事態も始まりました。そして今、住民運動の側は従来のような事業への「反対」ばかりでなく、住民が主体的に関われる公共事業の再構築を自らの手で発案し始めています。一方、公共事業を推進してきた行政と企業のなかからも、公共事業のあり方を再考する動きが出始めています。

 私たちは、公共事業をめぐるこの新しい事態を
  「公共事業 “新” 時代 〜自然とのおりあいを求めて」・・と呼び、
「第21回水郷水都全国会議、第8回有明海・不知火海フォーラム IN 久留米・柳川」のメインテーマとしました。 

 九州には公共事業のあり方をめぐって考えたい題材がいっぱいありますが、よく知られた問題は「川辺川問題」や「有明海再生事業」です。ともに地域の暮らしと環境にかかわっており、今後どのように進展するかが全国的に注目されています。また、「新時代」をえる重要な視点として注目したいのは、干満差日本一の有明海をかかえる佐賀平野にいまも効果を発揮する藩政時代の治水遺構です。自然と折り合っていた時代の知恵に学び、地域に根ざした公共事業が行われれば、地域社会の再生の糸口を見出すことも可能ではないかと考えています。
私たちは、水郷水都全国会議と有明海・不知火海フォーラムを合同開催し、さまざまな機関や団体、個人の連携を図ることによって新たな地平に立ち、地域住民的な環境再生事業を模索したいとい考えました。二つの会の名称が並んでいるのはそのような経緯と願いからです。
全国の皆さん、九州の久留米・柳川に集まって、各地の問題を寄せ合いながら、さまざまなことを考え、学び、新しい方向を見つけましょう。

プログラム

日時 2005年6月10−12日
会場 福岡県久留米市 久留米大学御井キャンパス
福岡県柳川市  柳川市大和町中央公民館
主要日程
6月10日(金)
主として午後から、広域エクスカーション

6月11日(土)
午前 エクスカーション

【久留米会場】
 13:00 オープニング セレモニーと開会式 

 13:30 記念講演 自然と人間の関わり(仮題) 
      原田 正純・大会実行委員長
              熊本学園大学教授

 14:40 基調報告
  第T報告 川辺川ダム建設事業の現状と課題(仮題)
        川辺川ダム利水訴訟弁護団

  第U報告 諌早湾干拓事業の現状と課題(仮題)
        よみがえれ有明海訴訟弁護団 

  第V報告 佐賀平野に残る中世の河川事業(仮題)
        岸原 信義氏・元佐賀大学教授

 16:30 各地からの問題提起

 18:00 交流会

6月12日(日)
【久留米会場】 
9:00〜12:00 各分科会

12:00〜12:45 久留米会場の全体会議

【柳川会場】
 主題:「かつての有明海をどうしたら取り戻せるか」
 10:00〜12:00 記念講演
   「開門による有明海再生の道筋について」(仮題)
         宇野木 早苗氏
         元東海大学教授

   「裁判・公害調停での取り組み」(仮題) 
         馬奈木 昭雄氏
         よみがえれ有明海訴訟弁護団

 13:00〜16:30 特別講演と討論
   「諌早湾の生き物」(仮題)
         田北 徹氏
         元長崎大学教授

   「セマングム訴訟勝利の波紋」(仮題)
         朴弁護士(韓国)

   総合シンポジウム

大会宣言

第21回水郷水都全国大会では、以下の3つの宣言、決議、アピールが採択されました。
 ・水郷水都全国会議/有明海・不知火海フォーラム  2005共同宣言
 ・第21回水郷水都全国会議、第8回有明海・不知火海フォーラムin久留米・柳川
   柳川特別決議
 ・川辺川分科会・アピール

水郷水都全国会議/有明海・不知火海フォーラム
  2005共同宣言


私たちは、九州の有明海沿岸地域である久留米市と柳川市に二つの会場を設け、全国各地から延べ1,000人が集まり、公共事業“新”時代 〜自然とのおりあいを求めて〜をテーマとして、さまざまな議論を交わした。

 1985年以来、全国各地の水環境問題にとりくんできた水郷水都全国会議と、有明海等の環境回復にとりくんできた有明海・不知火海フォーラムは、諌早湾干拓事業と川辺川ダム建設事業に焦点を当てながら、新しい時代の人間と自然の関わりを模索してこの大会を実施した。
 川辺川ダム建設事業は、事業目的のひとつである川辺川利水事業が福岡高裁で違法とされ、事業全体が白紙となった。にもかかわらず農水省は今日なお、新規利水計画の策定にこだわり、事業目的もあいまいなまま事業の継続を主張し続けている。また、有明海では国営諫早湾干拓事業が環境悪化をもたらし、漁業被害が起きて漁業者らが自殺に追い込まれるほどに深刻化している。農水省は、自ら組織した第三者委員会の「原因究明のための中・長期開門調査をせよ」との提言を反故にし、さらに、「中・長期開門調査は、農水省の責務である」と宣言した司法の判断さえ無視して、工事を再開している。
 人間は共同して自然に働きかけ、自然を改造する公共事業を不可欠とする。しかし、今日、巨大技術を駆使したわが国の公共事業は、経済至上主義に突き動かされ、自然・社会・文化・風土の将来に禍根を残すことが明らかになっている。それを見直してゆく方向と力をどこに求め、どのように調整するかが今日の重要課題である。
 現状を否定しただけでは将来の持続可能な社会は獲得できない。今大会に先だって、われわれは国、県、市に共同開催の意味をこめて後援の依頼をした。しかし、今大会が係争中の川辺川と有明海問題の一方の主張にかたよっているとして断ってきた。行政の専権事項と見なされていた公共事業の政策決定の場を住民の手に取り戻すために、行政上の知恵と業界・業者の技術や経営力をつなぎ合わせ、共同して社会と自然を再生するルールを構築したい。そのためには、自然の有り様を承認しながら自然を改造した先人の知恵、今日も各地に残る自然との折り合いのある事業に学ぶことを確認した。
 われわれは改めて、「対立」を超え、持続可能な「共生」社会への転換の必要を痛感する。すでに半世紀前、筑後川上流の下筌・松原ダム建設反対の運動の中で室原知幸さんが唱えた「法にかない、理にかない、情にかなう」本来の公共事業の重要性を再確認する。
 持続可能な社会のためのより良い水環境の創造は、地域住民・国民の結集した力によるしかないことを胸に刻み、地域技術に根ざした事業者を含む住民パワーで行政を動かし、「市民による、市民のための公共事業」を創設することをここに期するものである。

                                        2005年6月12日

第21回水郷水都全国会議、第8回有明海・不知火海フォーラムin久留米・柳川
 参加者一同


第21回水郷水都全国会議、第8回有明海・不知火海フォーラム in久留米・柳川 柳川特別決議

1997年4月14日、293枚のギロチンによって諫早湾が閉め切られた。全長7050メートルの潮受堤防のうち、開いていた1240メートルが閉ざされ、南北の水門を残し潮の行き来は止められた。ムツゴローやハイガイなど幾億の生命を育んだ諫早干潟と生命が湧くと称えられた泉水海は有明海から隔絶された。以降、2000年冬から2001年の春にかけて有明海のノリは大凶作に見舞われた。有明海異変の恐怖が漁民を襲った。
佐賀地裁では諫早湾干拓事業の差し止め訴訟が闘われ有明海異変と干拓工事との因果関係と工事差止め仮処分が決定された。福岡高裁では不当な決定がなされたが、今福岡高裁で最高裁抗告を実現させる闘いが行われている。また、公害等調整委員会では同事業と漁業被害の因果関係を求める原因裁定請求が闘われている。
 海は山と川だけではなく、隣海と繋がっている。海況の変化は人間社会に大きく影響される。自然の恵みを受けて日を送るわたしたちは、有明海と不知火海の異変を、手を拱いて傍観することはできない。フォーラムに参加した私たちは漁民の闘いに合流する。また、国、自治体に有明海と不知火海の保全と回復を働きかける。そして、次の課題を掲げる。

1)「よみがえれ!有明海訴訟」の勝利を確信し、福岡高裁は最高裁への抗告を許可し、最高裁は、福岡高裁の決定を破棄すべきこと。

2)有明海に特性の泥質干潟が持つ社会科学的、自然科学的役割を明らかにし、その「賢明な利用」を追求する。また、水産業の現状把握と回復を追求する。

3)有明海・不知火海をラムサール条約や生物多様性条約を活かす場にする。

4)農林水産省に諫早湾水門の中・長期開門調査の実施を求め、潮受堤防の撤去を含む諫早湾干拓事業の見直しを求める。

5)山、河川と干潟や浅海域の関係性を明らかにし、集水域を含めた有明海の保全・回復を目指す。

6)「有明海及び八代海を再生するための特別措置に関する法律」の見直しを求める。

2005年6月12日
第21回水郷水都全国会議、第8回有明海・不知火海フォーラムin久留米・柳川
柳川全体会、および参加者一同
(久留米・柳川両会場で確認採択)


川辺川分科会・アピール

 現在、国土交通省が進めている川辺川・球磨川の治水計画は、住民の意思が反映されないまま、「ダムありき」の計画になっています。

 私たちは、このような国土交通省に対して、球磨川流域の生命・財産を守るため、住民の意思に基づいた「ダムにたよらない」、より安全な治水対策を推進するよう強く求めます。

 また、熊本県が撤去を決定した「荒瀬ダム」について、熊本県知事は「国土交通省の財政的支援があれば、より早く撤去が実現できる」と言っています。

 川の再生事業として、画期的なものとなる熊本県の荒瀬ダム撤去事業に対して、積極的に、かつ、早急に支援することを求めます。               

2005.06.12
第21回水郷水都全国会議、第8回有明海・不知火海フォーラムin久留米・柳川 
川辺川分科会・参加者一同
(久留米・柳川両会場で確認採択)


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